2024.1.1 明けましておめでとうございます

新年は、1月5日から診療開始させていただきます。

今年は、いよいよアルツハイマー病の治療薬レカネマブの使用が本格的になることと思います。実際に治療できる病院には色々な基準があり、広島市内では、広島大学病院で治療が行われる予定です(2月下旬ごろからの見込み)。広島市立北部医療センター安佐市民病院でも、現在準備中(4月頃から治療開始できるのでは)と伺っております。

アルツハイマー病による軽度認知障害と軽度認知症の方を対象としており、PETか髄液検査でアミロイドβ蛋白が脳に沈着していることが確認できれば、それを取り除く治療として、2週間に1回1時間かけて点滴を行います。副作用で、脳の浮腫や微小出血がみられることがあり、その確認のため、治療前と同じ撮像法で、MRIを5回、7回、14回の投与前に行います。その後も6ヶ月に1回、MRI検査を行います。治療は1年6ヶ月続けます。

治療の効果は、1年6ヶ月で27%程度進行を抑制したというデータが出ています。今の症状を改善するというものではなく、アミロイドβ蛋白を取り除くことで進行を遅らせる治療になります。

軽度認知症の人の中でも、軽い方が対象で、MMSE(ミニメンタルステート検査)で22点以上の方を対象としています。当院で認知機能検査を受けたことがある方は、結果をお渡ししていると思いますので、点数を確認してみてください。ただ、3ヶ月くらいもすると、点数は下がっている可能性がありますから、レカネマブの治療のご希望があれば、またMMSEの検査を行う必要があります。

MMSE20点以上の方を対象にした、医療機器の治験も行っております。こちらは安全性が高く、頭に機器を当てるだけなので、注射のような痛みもありません。参加基準に合致するか確認のため、PET検査に行っていただくのが少しお手数ですが、参加者募集中です。

治験でも、新薬レカネマブの治療でも、色々な除外基準もあり、お電話やメールなどのお問い合わせでお答えするのは難しいため、ご興味のある方は診察の時にご相談ください。

今年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

1月 1, 2024